ゴンの念喪失は「代償の踏み倒し」が原因?ナニカの救済こそが念を失った本当の理由を考察

ハンターハンター第33巻、ゴンの念能力を使えなくなったことが明らかになった。

生命力であるオーラは出ているものの(ジン談)、ゴン本人にはそれが見えず、練ることもできない。いわば「念の精孔(穴)が閉じて、一般人に戻った状態」と言える。

では、なぜゴンはこれほどまでに徹底して能力を失ったのか。その原因を「制約と誓約」の観点から考察したい。

制約と誓約の設定

もし誓約を破れば反動で念能力そのものを失う危険がある

出典: 富樫義博『HUNTER×HUNTER』No.9, 第83話, 189頁

実は、第9巻の時はすでに念能力を失う原因を示唆した。

制約と誓約が機能するのはルールに遵守するのが大前提。簡単に違反できるものなら、威力も発揮できないのは至極当然だろう。

では、ゴンは一体何を違反しただろうか…?

もう
これで
終わってもいい
だから
ありったけを
貴様を殺す

出典: 富樫義博『HUNTER×HUNTER』No.29, 第305話, 101~105頁

ピトーとの一戦の前、ゴンは心の中でそう呟いてから、体がピトーを倒せる年齢まで強制的に成長させた。
おそらくその力を手に入れるための誓約は「終わってもいい」ーーつまり回復不能の瀕死状態だと考える。

こう考えると、ゴンはどのように制約と誓約を破ったかは分かりやすくなった。

本来、ゴンが「ゴンさん」化で得た力は、「命を投げ出してもいい」という覚悟への対価だった。 しかし、アルカ(ナニカ)の「無理やりな全快」によって、ゴンが支払うはずだった「代償」(死や再起不能)が消滅してしまった。
つまり、「力は手に入れたが、支払うべき代償を踏み倒した」形になり、システムとしての「制約と誓約」が壊れ、念能力という回路自体がロックされたのではないだろうか。

ちなみに、念能力は取り戻せるものなのかはまだ作中に明言してないので、何とも言えないが、考えるパターンは3つある。

  1. 再習得不可: ジンが言う「それ以上望んだら罰が当たる」というパターン。
  2. 再習得はできるが、以前の能力(ジャジャン拳)は使えない: 誓約の影響で「強化系」としての才能が変化、あるいはリセットされて且つ修行しても戻せないパターン。
  3. 以前と同じ能力を再習得できる: ただし、これでは代償が軽すぎるため物語的な緊張感が欠ける。

個人的には、物語の新鮮味も含めて2番の可能性が高いと考える。

伏線

1.継承戦の離脱

「ゴンの代償踏み倒し」は、単なる主役交代の舞台装置ではないと考える。実は、継承戦を終わらせるための巨大なヒントになっている可能性がある。

出典: 富樫義博『HUNTER×HUNTER』No.36, 第371話, 15頁

クラピカの推測によると、膨大なエネルギーの要る継承戦の念獣を生み出すには必ずリスク(厳しい制約と誓約)を負っていること。
その誓約を破れば念能力を消すことができる=継承戦から離脱できることを示唆しているので、幼い王子たちを救うため、どのように制約と誓約を破綻させるかが今後の重要展開になるだろう。

2.クラピカの寿命

出典: 富樫義博『HUNTER×HUNTER』No.35, 第364話, 86頁

クラピカの寿命がめちゃくちゃ削らていることが分かってから、暗黒大陸の「究極の長寿食ニトロ米」によりクラピカが救われるという期待を抱えている読者は少なくはないと思う。

ニトロ米の自生する沼地はメビウス湖の南東で、今回の方向とは全く違うが、暗黒大陸に向かう以上、何等かの形で手に入れることは全然あり得る話だと思う。

「絶対時間」の制約と誓約が成立しているのは、自らの命を削るという「有限で貴重な代償」があるからだ。 もしニトロ米で寿命を大幅に伸ばしてしまえば、「命の価値」が暴落し、誓約のバランスが崩れる。 その瞬間、クラピカもゴンと同じように、能力を強制没収されるリスクがあるのではないか。

それを知ったうえ、使命のため念能力を必要とするクラピカはニトロ米を口にするわけがないと思うが…。

最後…

話の進行により、念能力の設定とストーリーの絡みがどんどん深くなった。

念能力と念能力の直対決だけでなく、制約と誓約の仕組みから戦略を展開する頭脳戦もなかなか面白いよね。

ハンターハンターの再開、楽しみしている!

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